大判例

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東京高等裁判所 昭和38年(ツ)157号 判決

本件契約は、増改築又は大修繕をなすときは、賃貸人の許諾を要し、これに反したときは、催告を要せずして賃貸借契約を解除できる旨の特約が存することは、上告人主張のように、原審の適法に確定しているところで、原審が、右特約を無効であると判断したことも上告人主張のとおりである。借地法第七条によれば、借地権の消滅前に建物が滅失した場合に、残存期間を超えて存続するような建物の築造については異議を述べることができると規定し、また民法第六一六条によつて準用せられる同法第五九四条第一項の規定によれば賃借人が契約またはその目的物の性質によつて定まつた用法に従つて賃借物を使用しなかつたときは、賃貸人は契約を解除することができると規定されているのであるから、土地の賃貸人は賃借人が契約期間中に地上建物の増改築をなさんとするときは異議を述べて、期間の延長を阻止できるか、或は、その増改築の結果、それが契約または借地の使用目的に反するような場合には、賃貸人は契約を解除し得るに止まるのである。従つて、賃借人が借地上に建設した建物の増改築の内容いかんに拘らず、賃貸人の同意のないときは、催告を要しないで直ちに解除し得るとの本件特約は借地人に不利なものであるから、借地法第一一条によつて無効なものといわなければならない。原審の判示もこれと同趣旨のものであり、右特約を有効であるとして、原審の判示を非難する上告人の主張は、独自の見解に基くものにすぎないから、採用できない。

(村松 江尻 杉山)

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